中学1年数学授業_文字式「整数問題」

寝ようと思っても寝られないときに、妻から「本読んだら?」と言われる数学教師
#読み始めて5分で寝られる
#妻に自分のトリセツをお願いしたい

① 問題提示(7分)

(問題)
 ①~⑨のカードが1枚ずつあります。この中から二枚選んで、二桁の数をつくります。この二桁の数と十の位と一の位の数を入れ換えた数との差について考えよう。

 問題の意味が全体に伝わるように、1つ例を示します。今回の授業では、⑥と④のカードについて取り上げました。

 (例)二桁の数は64で入れ換えた数は46となります。
 このとき、2つの数の差は、64-46=18となります。

T「2つの数の差について、どのようなことが言えそうか、繰り返し行い、規則性について考えよう。」

 まだ、1年生ということもあり、教師から方法の助言している。このような課題学習を繰り返すことで、生徒から方法の見通しを引き出すことができるようになると考えている。

 結果の予想をさせ、生徒から課題を見出す時間をつくる。

② 課題提示(10分)

S1「9の倍数になっている。」   T「他の人はどうですか?」
S2「私も9の倍数です。」 T「9の倍数になった人は手を挙げてもらってもいいですか?」

T「他に何か気づいた人はいますか。」
(もしいなかったら、再度時間を設けます。「もう少し深めてみよう・・・」などと話して)

S3「どんなときも成り立つか分からないけど、選んだ2枚のカードの差と9をかけた数が2つの数の差になっていると思います。」
T「S3さんの言ったこと、成り立つかな?」
S4「本当だ!成り立つ!」
S5「すごい!」

T「すごいですね。さらに深めた規則性に気づいてきましたね。しかも、S3はどんなときも成り立つ分からないけどと言ったことも素晴らしいです。」
T「どうすれば、どんなときも成り立つことが言えるのですか。」

S6「文字を使って説明するとよいと思います。

 数学の問題解決において、「どんなときでも成り立つことを説明するには、文字を使う有効であること」はこの章を通して、教えたい方法の一つです。

 これらのやりとりから、生徒の言葉で課題を設定していきます。

(課題)
 2桁の数と十の位と一の位を入れ換えたときの差は、
十の位の数と一の位の数の差に9をかけた数になることを文字を使い証明しよう。

 1年生で、この内容を生徒から正確に引き出すのは難しいと思い、カードを用いました。

③ 課題解決(20分)

  2桁の数を文字で表した経験がなかったので、全体で確認しました。その後、入れ換えた数については、各自で考えてもらい、課題解決の時間を設けました。

 5分経過したくらいで、入れ換えた数の文字式について、全体で確認しています。

 その後、以下の式を書いている生徒に板書してもらいます。
 (10x+y)ー(10y+x)=9x-9y

 この式では結論に達していないので、板書してもらう時には配慮が必要です。
私は板書してもらう生徒に
「まだ結論までには至っていないけど、ここまでとてもいい考えだから板書してもらってもいいかな?」とか
「(生徒が自分の答えに腑に落ちていない生徒)これが答えなのか悩んでいると思うんだけど、他の生徒も同じ悩みを持っているから、ここまで書いてもらってもいいかな?」
もちろん、まだ考えたくて板書を拒む生徒もいますので、無理には頼みません。

ただ、課題解決のキモとなる部分9(x-y)は、
全体で共有したいと考えているため、あえて9x-9yまでを板書しました。

④ 振り返る活動(8分)

 9x-9yまで板書してもらい、もう一度、示したい結論を全体で確認します。
 9x-9yが何を示しているのか(十の位の数の9倍と一の位の数の9倍との差)を確認し、
 9x-9y=9(x-y) に式を変形させることを全体で解決してます。

 これまで単元を通じて、文字を扱った計算ができるようになってきたことに加えて、
「証明したい形に式を変形すること」の重要性をまとめていきます。

今回のまとめは、以下の内容としました。

・繰り返し行い、規則性をみつけること
・証明するには文字を使うこと
・証明したい形に変形すること

 また、条件を変えて考える見方も養いたく、この問題を少し変えて考えるなら、どのようなことを考えたいか、生徒に自由に発言させてこの授業を終わりました。

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